古い街の昔からのお店

今の地名は津市東丸之内ですが、国道23号線のフェニックス通りから岩田橋にかけての海側には、かつて多くの町名がありました。

 

そのうちの一つが分部町です。松菱の北から東にかけてという感じでしょうか。

 

分部町と言えば唐人踊りですね。津祭りの人気演物の一つで、江戸時代の朝鮮通信使からヒントを得た演物と言われています。とはいえ、朝鮮通信使は津を通過していないので、昔の津の住民が東海道筋などで通信使を見て感動し、これを津に伝えたようです。

 

分部町は歴史のある街で、昔からのお店も残っています。

写真1は林時計鋪。四つ角に面したレンガ造りの建物です。ここはねじ巻き時計だけを扱うお店で、外国ものを中心に結構なお値段の時計を扱っています。時計マニアには垂涎の品物も多いとか。

 

写真2は、その西向かいにある和菓子の清観堂。松菱やチャムでは不老柿など日持ちのする商品が買えますが、本店では生菓子、それも種類が豊富で選ぶのに迷うほどのお菓子を買うことができます。写真をよく見ると、手前の電灯に「唐人の街」の看板があり、その上には唐人さんの人形も乗っかっていますね。

 

写真3は林時計鋪から東へ行ったところにある阿部久すだれ店。すだれや箒などの日用雑貨のお店ですが、竹箒など懐かしい品物も多数扱っています。

 

写真4はおまけです。阿部久すだれ店から北へ行くと地頭領町になりますが、そこにある三陽鰹節店。削り節専門店です。お店の前を通ると、削り節の良い香りが漂っています。

 

古い街には昔ながらの良いお店が残っています。

 

文・写真/ふるさと通信員・テツじゃ